エマルニア



静に夕飯を終えて、あたしはアシフィックと話すことなく寝る。

魔力がそれほどないあたしは、一日半もこの姿を保つことが出来ない。

睡眠時間は約6時間ほど取らないと魔力が完全に回復しない。

そのため、今日はもうそろそろ魔力がつきる。

魔力が尽きると強制的に気絶してしまう。

しかも、変身を解かれてしまうので、エマルニアの姿になってしまう。

学校で気絶するのは絶対に避けなくてはない。

だから、今日は早めに寝ることにしたのだ。

それにあたしも魔力が無くて少しフラフラしてるし。

フラフラしながら寝室へと向かうと、後ろをアシフィックがついてきた。

扉の前で1度止まるあたしとアシフィック。

あたしの足元にいるアシフィックの尻尾はぱたぱたと揺れていた。

「今から寝るんだけど」

魔力切れの為、余裕がないあたしは少しキツめに言いながらアシフィックを睨んだ。

乙女の寝顔を見ていいのは好きな人だけなんだから。

いくら監視を担当していると言ってもやっていいことと悪いことはある。

あたしのプライバシーぐらい守りやがれ。

「お嬢ちゃん達は柔いなぁ。こんなんで魔力切れになんのか。……ギャハハッ。わりぃが、俺様も仕事だからよぉ、中いれてくんねぇか?」

途中笑いながらも、寝室の中に入ろうとしてくるアシフィック。

もちろん、乙女の寝室にいれるわけない。

「ぜっったい嫌だ」

扉が絶対に開くことのないよう、押さえながら怒鳴る。

別に寝室で何かするわけではない。

ただ、ちょっと恥ずかしい。

片付けとかもしてないし。

てか、なんで昨日はしなかったくせに今日だけ仕事したがるんだよ。

「おいおいおい、お嬢ちゃん。自分の立場わかってんのかぁ?俺様は好きで入りたいわけじゃねぇんだぜ?俺様の仕事、邪魔するなら消しちまうぞ?」

あんなにゲラゲラ笑っていたアシフィックが、急に凄みを利かせた声であたしに迫る。

昨日からただ喋る犬のような感覚だったが、アシフィックはあたしたちを自由に消すことのできる使い魔だった。

あたしの我が儘なんて簡単に打ち消せる。