また顔が赤くなっちゃうかも。
ちょっと恥ずかしいけど、下を向いてちゃ綾瀬くんが心配しちゃう。
しばらくして、降りる駅についた。
今日はここで綾瀬くんとはバイバイ。
まぁ、教室じゃまた会うんだろうけどさ。
でも、ずっと一緒にいたいよね。
改札を出て、一匹の黒い大きめな犬が横から出て来た。
え?何故に犬が?
「しっしっ」
ちょっと嫌なので犬を追い払おうと手をふる。
犬はちょっと離れたが、また近づいてきた。
しかも、今度は吠えながら。
しつこい犬だな。
周りからの視線が痛い。
急いでその場から逃げる。
犬に追われるようにして裏路地に入っていく。
あまり入ることがない裏路地。
先程までいた駅前よりも暗い感じがする。
良くわからないピンクの看板やバーらしき店が立ち並ぶ。
雨も降ってないのに水溜まりがあり、そこに水がちゃぽんと落ちていく。
正直、そこを歩くのは勇気がいる。
「お前、まだ気づかねぇーのかよ?俺様だ、お・れ・さ・ま」
さっきまで煩く吠えていた犬が喋った。
しかも、嫌味を言いやがった。
この話し方は、アシフィックしかいない。
でも、今朝の犬とは全く違う。
ボーダーコリーの方がかっこよかったし、アシフィックなのすぐにわかったのに。
「アシフィックだよね?なんで違う犬になったの?」
あたしは立ち止まり、犬の頭を撫でる。
犬はくぅーんと鳴き目を細めて嬉しそうにしている。
あれ、これ、本当にアシフィックなのか。
アシフィックってこんなになついていたっけな。
「同じ犬なんて芸がねぇだろ?ギャハハッ」
大人しくお座りしていた犬のアシフィックは立ち上がりあたしの前に来た。
そして、爆笑。
よほどあたしの反応が面白かったらしい。
また、馬鹿にされた。
「んで、あたしになんのよう?」
腕を組み、あたしは目の前のアシフィックに尋ねる。
アシフィックは今、あたしの監視を担当しているのだ。
外であたしの前に現れるのはおかしい。
何が大切な用事か何かあるんだとあたしは思う。
