エマルニア




それにしても、凄い。

あたしと同じ格好なのに、威圧が凄い。

幻覚なのはわかるけど吹雪のようなものがfirst5の後ろから見える。

寒いわけじゃないのに震えが止まらない。


「ならば、無理な話だ」

「そんなっ!」

冷たく言い捨てられたその言葉に噛みつくあたし。

だが、first5はより一層大きめな怒鳴り声であたしを制す。

「だまれ!」

その言葉にあたし含めたナンバーズ全員がピクッと飛び上がる。

「貴様にはおかしな点が数多く見られる。何か私達に逆らうようなことをしたのか?」

first5の背後の吹雪が大吹雪になった。

恐怖のあまり声もでないあたしは、首を左右に必死に振る。

「では、何故お前だけがこんなにも変わったのだ?」

鋭い視線があたしの体を突き刺していく。

この問いにもあたしは首を振って答えるしかない。

あたしはただ普通に高校生生活をしていただけだ。

「貴様にはなにもわからないのだな?」

first5の声はさっきよりも、声に少し暖かみがあるように聞こえた。

あたしはこくこくと頷く。

吹雪は収まった。

「ならば、仕方ない。監視をつける。貴様の高校生生活とやら、1ヶ月ほど延ばしてやろう」

こうして、監視つきではあるが、あたしはfirst5から1ヶ月の猶予を得ることになった。

その後、各自、first5に今後の行き先を告げられ、解散していった。

しかし、あたしだけはfirst5に呼ばれてまだ、倉庫の中にいる。

firstが個人的にナンバーズを呼ぶなんて前代未聞だ。

あたしはビクビクしながら、first5を待っている。

first5は報告をするとか言って外に出てしまった。

これから、何をさせられるんだか。

しばらくするとfirst5は何かを連れて戻ってきた。

よーく目を凝らしてみるとその何かは黒い犬だった。

たぶん、牧羊犬によく使われるボーダーコリーだと思うのだが黒い。

コリー独特の黒と白の斑な感じはなく、真っ黒に統一されていて、凄く格好いい。

first5と並んで歩いていたボーダーコリーは、あたしの前まで来ると、スッとお座りをした。