夏に咲く桜 海に広がる静空

悲しい、辛い、悔しい・・・



負の感情それら全てが私に押し寄せてやってきたようで、ただ涙を流すことしか私にはできなかった。


「今更だけど・・・

私のこと、目が見えていなくて可哀そうとか思ってるでしょ」


押し潰されそうなのを必死で堪え、私は精一杯の強がりを出した。

そうでもしなければ、私は負の感情にやられてしまう。


「全然。

だって、今は目が見えていないかもしれないけど、自分の道はしっかり見えているじゃん」


ほんの少し前に彼に対して抱いた感情を、私は恥ずかしく思えた。



同情や、口先だけの「羨ましい」などという慰めのような言葉ではなく、彼の言葉には中身が詰まっている。



そう感じられるような言葉に、私は違う涙を流した。