「よくできました」

やっぱり、水泳のインストラクターを思わせるような口調でそう言うと、響哉さんは突然私をひょいと抱え上げ、横に向けて自分の膝の上に置く。

……ちょぉーっと、待って!

この恥ずかしい体勢は、一体何の罰ゲーム?

「マーサちゃん。
こういうときは、しっかり抱きついてないと落ちるよって言ったよね?」

焦る私を見て、クツクツと喉を鳴らして笑いながら響哉さんが言う。

「……いつ?」

少なくともここ一週間で聞いた覚えはございませんが……。