柔らかいソファに背中を押し付けられていた。

「――怖い?」

響哉さんが私の頬を撫でながら、そう聞いてくる。

「マーサが嫌だって言うなら――いつまでだって、待つけど――」

言葉とは裏腹に、その声には不服そうな色が混ざっている。

情熱を隠しきれない黒い瞳に、吸い込まれそうになる。私は抗おうと、必死になって彼の瞳を見つめていた。

「優しくするから――」

響哉さんは熱っぽく囁いて、官能を誘う手つきで私の唇や耳をなぞっていく。


別段、それに流されてはいけないなんていう決まりはないに違いない。