Sweet Lover

「そうですよね、あれほどの方ですものね。
そうそう詳しいことは言えませんよね」

丁寧な言葉に、私はぎくりとした。

……響哉さんって「どれほど」の方なワケ?

とはいえ。
彼が何者であろうとも、近しい私が「知らない」なんて顔をするわけにはいかない。
……ような気がする。

曖昧な微笑で、なんとかその場を乗り切るしかない。

「宜しかったら、ライト、ご覧になりますか?
一つ上の階に取り揃えておりますので」

「はいっ」

上手く話が逸らせると思った私は、何も考えずに頷くと、店員さんに連れられて、上の階へとあがることにした。