翌朝――。
ゴールデンウィーク初日、イベント情報や道路渋滞情報に余念の無いワイドショーを私はぼんやりと眺めていた。
それによると、キョーヤ・スドーのDVDの売れ行きは今までの記録を塗り替えるほどの好調ぶりで、今日からの握手会を含めたトークショーのチケットは完売だということだった。
三日に分けた握手会。
――どう振り分けたのかしら。
短時間でそこまでやる春花さんの手腕は相当なものじゃないかしら。
「事務処理は大変だけど、飽きっぽい日本人にはこのくらいのやり方が向いているのかもな。」
行儀悪く、食後の珈琲を飲みながら歩いてきた佐伯先生が、そう言いながら私の隣に座る。
ベージュのチノパンにカジュアルな黒いシャツ。
眼鏡もかけて、今日の先生は『休日の佐伯 頼太』という感じ。
「昨夜、響哉に逢った?」
「いいえ」
さすがに、前日は忙しいのねと思ったくらいで、それ以上のことは考えてなかった私は素直に首を横に振る。
ゴールデンウィーク初日、イベント情報や道路渋滞情報に余念の無いワイドショーを私はぼんやりと眺めていた。
それによると、キョーヤ・スドーのDVDの売れ行きは今までの記録を塗り替えるほどの好調ぶりで、今日からの握手会を含めたトークショーのチケットは完売だということだった。
三日に分けた握手会。
――どう振り分けたのかしら。
短時間でそこまでやる春花さんの手腕は相当なものじゃないかしら。
「事務処理は大変だけど、飽きっぽい日本人にはこのくらいのやり方が向いているのかもな。」
行儀悪く、食後の珈琲を飲みながら歩いてきた佐伯先生が、そう言いながら私の隣に座る。
ベージュのチノパンにカジュアルな黒いシャツ。
眼鏡もかけて、今日の先生は『休日の佐伯 頼太』という感じ。
「昨夜、響哉に逢った?」
「いいえ」
さすがに、前日は忙しいのねと思ったくらいで、それ以上のことは考えてなかった私は素直に首を横に振る。


