でも、関係ないのかもしれない。
一週間で指輪のサイズを直したのかもしれないし――。

私はそっと指輪を外し、しげしげと眺めてしまう。

本当に響哉さんと一緒になるならきっと、問題は山積みなんだろうけれど。

そんな現実的なこと、全てふっとんでしまうくらいに、ただ幸せで――。


珍しく、私のケータイ電話が鳴って、現実に引き戻された。

知らない番号。

「……もしもし」

「マーサ。良い子で留守番してる?」

電話の向こうは響哉さんだった。
そういえば、新しくした響哉さんの電話番号、登録してなかったわ。

電話の使用なんて必要ないくらい、いつも、傍に居るのが当たり前になっていたことに、改めで気づく。