響哉さんは肩を竦めて、ふわりと笑ってから、真剣な目で言った。

「マーサに嘘はつかないよ」

種も仕掛けもない、なんてマジックじゃ嘘の中には入らないのに。

「いい?」

いつかと同じように、私の絵の上にそれを覆うほどのタオルをかけた。

「One two three!」

パチリと指を鳴らして、ハンカチを持ち上げると――。

箱を持ったテディベアが座っていた。

「16歳の誕生日にこれを――渡したかったんだよ、本当は」

響哉さんは、はにかんだような笑顔を浮かべてそう言って、テディベアを抱き上げた。


「Will you m……」