Sweet Lover

「べ、別に画家になりたいわけでは……」

響哉さんが、ふわりと私の頭を撫でる。

「今すぐ将来を決めてくれって言ったわけじゃないよ。
 何か決意があるなら邪魔をしたくないと思ったまでだ。
 ……だから……。
 俺が余計なことを言ったばっかりに悩ませたのなら悪かったね」

「……そんなことっ」

首を横に振る私を、引っ張りあげて響哉さんが腕の中に抱き寄せてくれる。

「何の邪魔にもならないなら、遠慮なくアメリカに連れて行っても構わない?
 ……それとも日本で暮らしたい?」

響哉さんは、不安を隠さない声でそう聞いてきた。
心臓が、きゅんと、鷲掴みにされて、身体が震える。


「……私はっ」