Sweet Lover

響哉さんは懐かしそうに目を細めた。

「……逢いに、いかないの?」

私は絵の上側に、鳩の絵を付け加えながらそう聞いた。

「難しいことを聞くね、マーサは」

苦笑を浮かべて付け加える。

「なかなか、立ち寄りづらい場所なんだよ、あそこは」

だから、私は話題を変えた。

「どうして、鳩を飼ったの? マジシャンになるのが夢だった?」

「最初は、そうだな。
 何も無いところから、モノを出したり、不意に姿を消したりできるマジシャンに憧れた。
 小さな子供の頃にね。
 俺も、そんな風に自由自在に生きれたらなーって、空を見上げて思ったのがきっかけかな」

響哉さんは何でもないことのようにさらりと言うけれど。

それほど、須藤家というところは不自由な場所だったということ、なのかしら。