Sweet Lover

言っておくけれど、それは、小さな子供なら誰でも書きそうな粗雑なもので、特別な芸術性を感じられるようなものではない。

それなのに――。

大事に、こんな立派な額なんかに入れて。

「思い出した?」

響哉さんの言葉に、私は大きく頷いた。

「うん。
 さっき思い出したのが、この絵を描いているところなの。響哉さんが鳩の写真を見せてくれたときのことよ。
 ね、この前の映画を見て、ママと響哉さんの映像ははっきりしてきたんだけど、パパの映像がどうもいまいちで……。
 どこかに、パパの姿、残ってない?」

少しずつ甦る記憶の中で、パパの姿だけがおぼろなのが、気になっていた。

「そうだな。
 頼太に探すように言っておくよ。……アイツが少し落ち着いたら、だけどね」

響哉さんは意味ありげにウインクして見せた。