Sweet Lover

「それより、マーサ。
 久しぶりに絵を描いてくれないかな」

響哉さんの柔らかい声で、電話のことなんて頭の隅に追いやってしまった。

「何の絵?
 クマさん?」

「いいね、懐かしい。
 昔書いた絵、見たい?」

「……持ってくれてるの?」

私はびっくりした。
だって、13年近く昔に小さな子供が遊びで書いた絵……だよ?

「当たり前だろ。
 大事にすると約束した」

リビングに入ると、そのテーブルに、私が昔描いたクマの絵が、額に入れて置いてあった。