Sweet Lover

「……どういう意味……?」

私が首を捻ると、先生は電話越しにため息を一つ。

「知らないほうがいいこともあるさ。
 体調に異変は?」

「今朝もまた、頭痛が起きて昔のことを思い出したけど――」

「きっかけは?」

「お絵かき帳」

「そう。
 初体験じゃなくて、お絵かき帳ねぇ」

……!?

あまりにもさらりととんでもないことを言うので、私は思わず赤面してしまう。
もっとも、電話越しにその動揺が通じたとも思えないけれど。

「……あの、先生?」

「真朝ちゃん」

私の動揺とは裏腹に、先生はとても落ち着いた声で切り出した。