Sweet Lover

『そして、マーサちゃんの描いた絵があります』

キョー兄ちゃんは、さっき私が書いたクマの絵を引っ張り出してきて私に見せた。

『ねぇ、マーサちゃん。
 この絵、お兄ちゃんにくれない? 大事にするから』

『いいよ』

私はこくりと頷いた。

『ありがとう』

チュ、と。
キョー兄は私が描いたクマの絵に、大切そうにキスをした。

そうして、おえかきちょうから丁寧にはがし、テーブルの上に立てる。


『では、お兄ちゃんからマーサちゃんにお礼です』

ポケットから取り出した白いハンカチを、その絵の上にかけた。

『One two three!』

掛け声とともにキョー兄ちゃんがハンカチを取ると、そこには絵ではなくて、小さなテディベアが置かれていた。