Sweet Lover

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『今日はやけに大人しいじゃない』

耳に馴染んだ柔らかい声に、小さな私は動かしている手を止めた。

『しぃ、須藤くん。
 真朝の絵を描いているときの集中力はスゴいんだから。
 いくら淋しいからって邪魔しないでちょうだい』

でも、ママの助言はもう手遅れで。
クレヨンを投げた私は、考えるより前にキョー兄ちゃんに飛びついていた。

『マーサちゃん。
 遊ぶなら、片付けないと』

『いやぁんっ』

せっかく抱き上げてもらったのに、すぐに下に置かれた私は遊んでもらえないと勘違いして、大騒ぎ。