Sweet Lover

どきどきしながら、私は。
響哉さんの頬に唇をつけた。

ほんの少し、触れるだけの――。
仄かな、キス。

響哉さんはくしゃりと私の髪を撫でて、「ご褒美のキス」と囁くと、私の唇に自分の唇を遠慮も躊躇いもなく重ねてきた。


思わず、瞳を閉じる。



こうして、何度も何度も唇を重ね続けていたらそのうち――。この胸の高鳴りも少しは落ち着いてくるのかしら。

そうしたら、いつか、躊躇うこともなく自分からキスできるようになるのかしら。

広い浴槽につかりながら、私はそんなことを考えていた。