「あら、嫌だわ。
 私、すっかり社長の嘘に騙されていたってことかしら」

春花さんが苦笑した。
そうして、バッグからA4の用紙を何枚か取り出して渡してくれた。

「真朝ちゃんの方がよっぽどしっかりしてるわね。
 これが社長の直近のスケジュール。
 もちろん、トップシークレットだから、よろしくね」

「ありがとうございます」

私はそれを受け取った。
本当、過密スケジュールだわ――。


「お待たせ」

甘い香り漂うココアとパンケーキを持ってきた響哉さんが、それを並べながらそう言った。

そうして、私にはホットミルクを渡してくれた。