Sweet Lover

はん、と。
響哉さんは鼻先で笑い飛ばす。

「そもそもその、『婚約パーティー』ってのがうさんくさいんだよ。
 そうやって、俺も彼女も不自由にしようっていう魂胆なんだろ?」

やれやれ、と。
ヘンリーさんはほんの僅か、肩を竦めた。

そうして。
今までの笑顔の仮面をとっぱらって、真剣な表情で切り出した。

「既に不自由になりつつあることには、お気づきなのではございませんか?
 きっと、既に敵は姿を現し始めているのでしょう?
 それならいっそう、全てをさらして堂々とガードマンをつけられたほうが安全というものです」