相変わらず車の上に置いてある封筒を、響哉さんはため息をついて取り上げて、無造作に車内に置いている小さなゴミ箱に放り投げた。
「……それ、開けなくていいの?」
助手席に座ってそう聞いた私に、響哉さんはなんでもない顔で微笑んで見せると、手を伸ばしてくしゃりと頭を撫でてくれた。
「大丈夫。
心配しないで」
……だって。
今日の封筒は、今までのと違ってなんだか一段と高級感が漂っている。
封筒の裏に垂らされた紅い蝋の封なんて、……その存在は知っていたけれど、生で見たのは初めてだもの。
響哉さんは頭を撫でた手で頬を撫でると、私の顎を持ち上げた。
そのゆっくりとした仕草が、とても心地良くて、慣れたネコのように瞳を閉じる。
「……それ、開けなくていいの?」
助手席に座ってそう聞いた私に、響哉さんはなんでもない顔で微笑んで見せると、手を伸ばしてくしゃりと頭を撫でてくれた。
「大丈夫。
心配しないで」
……だって。
今日の封筒は、今までのと違ってなんだか一段と高級感が漂っている。
封筒の裏に垂らされた紅い蝋の封なんて、……その存在は知っていたけれど、生で見たのは初めてだもの。
響哉さんは頭を撫でた手で頬を撫でると、私の顎を持ち上げた。
そのゆっくりとした仕草が、とても心地良くて、慣れたネコのように瞳を閉じる。


