Sweet Lover

ラバー……

わざと日本語として発声したので、それがloverなのかrubberなのか、私には分からない。

前者なら『恋人』(それも多分『オトナな関係』を存分に含んでいる感じ)だけど。
……後者なら。

直訳すれば、ゴム。
……でも、それって多分、コンドームのことだよね……?

響哉さんは呆れた顔で先生を見た。

「欲求不満だからって、俺に八つ当たるのはやめてくれる?」

「いいじゃない。
 他にこれと言った楽しみも無いし」

しれっと言ってのける先生の、それが本気か冗談か、私には分からない。

「……マーサ。
 行こう。馬鹿がうつる」

またね、と。
先生がひらひらと手を振るのにぎこちない会釈で応え、私は響哉さんに半ば引きずられるようにいつものルートで駐車場へと向かった。