Sweet Lover

言葉がまとまらない私に声を投げてきたのは先生だった。

「真朝ちゃん、心配すること無い。
 昨日あわせた兄貴には娘がいるんだけどさ。彼女、本当に可愛くて、目に入れても痛くない。
 俺にとっては、真朝ちゃんも彼女同様可愛い姪っ子にしか見えない。
 迷惑だなんて思ってないさ。
 ――啓二くんたちもきっと、同じ気持ちだと思うけどね――」

それとも――と、言葉を切って先生が苦笑する。

「俺に甘えるのは、嫌?」

「嫌、ってことは、ないです――」

「それは良かった。
 俺は響哉と違って見返りも求めないし」

ふわりと先生が唇を綻ばせる。

「もちろん、響哉に甘えるのに遠慮なんてしないだろう?」