「そう?」

先生は私に確認する。

「うん。
 他の教科よりはずっと好き」

私がこくりと頷くのを見てから、梨音が続ける。

「後、やっぱりここぞという時の瞬発力は凄いですよね。
 今日だって、クラス中にアンケートを取ってまわるなんて。
 私には、そんな行動力は無いなー」

先生は自分の席に戻って、私を見た。

「ほら。
 真朝ちゃんにはそういう得意なことがあるわけよ。
 他の人に聞けばまた、別の視点で答えをくれるかもしれない。
 そういう自分の強みが活かせる仕事は何かなーって考えてみるのも、悪くないんじゃないかな?」