「いつだったっけ――。
 そうそう。
 入籍をいつしたのかは知らないけど、結婚式はクリスマスで、皆から密かにブーイングを浴びてたのは覚えてる。
 ――どうして?」

「エンドロールでママの名前が二階堂 朝香になってたから」

「ああ、それね」

ふわりと響哉さんは笑う。

「先にエンドロールを作ってたんだよ。
 終わりからイメージを固めていきたいとか何とか言って。
 最終的に変えようかって話もしたんだけど、朝香ちゃんは記念になるからこれで良いって笑ってた」

そこまで言うと、響哉さんはくしゃりと私の髪を撫でる。