Sweet Lover

……どうしよう。

私、顔、真っ赤なのが収まらないんだけど――。

ドキドキしっぱなしの私は、長い間湯船に浸かっていた。

「マーサ。
 大丈夫?」

不意に、お風呂の外で声がした。
私は思わず身体を抱きしめる。

「大丈夫だけど……。
 どうして?」

「身体を温めすぎて、また、鼻血が出てきたかと思って――。
 大丈夫だったら、いいんだけど」

そうだった。すっかり忘れていた。

「うん、あがるね……」

立ち上がった瞬間、くらりとした眩暈に襲われる。
ばしゃんと、派手な音を立てて浴槽に倒れ込んでしまった。


「マーサっ」

響哉さんは濡れるのも厭わずにお風呂に手を入れ、私を抱き上げる。