Sweet Lover

すごくクォリティの高い映画に引き込まれた私は、エンドロールが流れても尚、動けずに居た。

響哉さんはそっと私の肩に手をまわす。

「すっかり遅くなったね。
 マーサ、お風呂に入っておいで」

その声も、仕草も。
もう、とっくに慣れたと思っていたのに。

思わず見上げた響哉さんの顔は――当たり前だけど――映画に出ているのと同じだけ整っていて、思わずどきりとする。

ルックスが素敵なのは最初に見たときから分かってたはずなのに――。

映画で演じた役柄を私の脳みそが投影してしまっているのか、響哉さんの横顔を見るだけで、今まで以上に、どうしようもなくときめいて仕方が無い。