それから、無理矢理口角を引き上げて、嘘っぽい乾いた笑いを浮かべた。

「じゃ、マーサが選んで」

私はトマトやナスがたっぷりトッピングされているミートソース味のピザを指差した。

「後半分、響哉さんが選んで」

「……半分?」

響哉さんは怪訝な顔をする。

「そう。
 そうやってハーフ&ハーフにすれば二つの味が食べれるし、ね?」

響哉さんは、偽りの笑顔を保っていられなくなったのか。
自分の顔が見えないようにくしゃりと背中から私を腕の中に抱きしめた。

「……響……?」