けど、子供のようにテンション高くはしゃいでいる響哉さんにそういうのは躊躇われたので、私は別の言葉を選ぶ。

「アメリカじゃ、ピザ三昧だったんじゃないの――?」

「そうでもない。
 撮影が入ると、シェフが料理を作ってくれるし。
 オフの時には、大抵自分で作るか――、でなきゃレストランに出かけてたからね」

だから、ジャンクフードに憧れがあるのかしら。
その尋常でないはしゃぎっぷりは、いつもの響哉さんとはまるで別人。

「大学のとき一度――」

そこまで言いかけて、ふいに、響哉さんは口を閉じた。

「なぁに?」

私が先を促しても、何でもない顔で首を横に振る。

「いや、語るほど面白い話でもなかった。
 それより、ピザ、どれにしようか? いっそ、全部頼んじゃう?」