「お腹すいたんじゃない?」

重たい独白を終えた響哉さんは、唐突にそう切り出した。
憑き物が落ちたかのように、さっぱりした顔で。

二人でお喋りしている間に、もう、随分な時間が経ってしまったもの――。

私がこくりと頷くと、響哉さんは宅配ピザのチラシを持ってきた。

「どれがいい、マーサ?」

まるで、遠足の前日、お菓子を買う子供みたいに目が輝いている。

「えー、ピザの宅配なんて頼んだこと無いから、よくわかんない……」

もっとも、自分で頼んだことがないだけで、宅配ピザを食べたことはあるけれど。

私が言うと、響哉さんは笑う。

「俺と一緒か。
 じゃ、二人で初めての共同作業だ」

――それは違うような気がするんだけど、なんとなく。