Sweet Lover

「ちょっと、何するのっ。
 放してっ」

「何って、響哉と磯部もこうしていたんだろう?」

私が少々暴れたくらいでは、佐伯先生はびくともしない。

「でも、梨音は別に嫌がってなかったもんっ」

私がそこまで言い終えたとき、保健室のドアが開く音がした。

「……マーサっ」

響哉さんの声。

「お帰り、響哉」

佐伯先生は私を抱きしめたまま、そう言った。

「マーサ、大丈夫?
 もう少し寝ていたほうが……」

響哉さんは心配そうにそう言って、私の頭を撫でた。