「それに、その件は別に言わなくてもいいんじゃないの?
 どうせ証拠は出なかったんだし。
 あれは、不運な事故。
 そうだろ?」

頼太の言葉に、俺は、唇を噛む。

確かに、どれだけ調査を重ねても、『あれは、不運な事故』だった。

でも、もしもあの事故が起きなかったら――?


近日中に、確かに。
真朝の暗殺計画が立てれられていたのだ。

むしろ、真朝が今ここに居るのは、あの事故のお陰と言ってもいい。


事故の知らせを聞いてすぐ、須藤家が事態の調査を始めたことに気づいたヤツが、殺害計画を諦めた……。