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泣き出しそうな顔で俺を見上げ、人の話を遮った真朝は、俺の胸にもたれて瞳を閉じていたが、しばらくすると本当に寝入ってしまった。

横にして、シーツをかけてベッドの傍のカーテンを閉める。


「その察しの良さは、朝香ちゃん譲り?」

コーヒーを注ぎながら、頼太が聞いてきた。

「そうなんじゃない?
 本当に、親子って似るよな。不思議なほど」

コーヒーを受け取って、適当なパイプ椅子に座る。

実際、真朝にはそんなに朝香や真一の記憶はないはずなのに、その仕草や言葉遣い、思考回路や気の遣い方まで似ているところが多々あって、俺は時折不思議な気分になる。

「折角、告白を決意したっていうのに、聞く耳を持ってない辺りが本当にそっくり」

頼太の発言には、残念だが、頷くしかない。