「そこで、パパとママに逢ったってこと?」

私の言葉に響哉さんが「そう」と、言う。

「おや。
 一目惚れしたって言わなくていいわけ?」

響哉さんは答えない。

「家のことなんて関係なく接してくれる人に出会えて、とても新鮮だったのは本当」

「ああ、それを恋だと認識したときにはもう、真一が手を出していたってわけか」

からかいを含んだ声で、先生が言う。