Sweet Lover

昨日、カレンさんのことで家を飛び出してしまったばかりなので、響哉さんが過剰に気を遣うのも仕方がないよね……


「……お前ら、学校の保健室のベッドでいかがわしいこと始めてないよな?」

いい加減沈黙が続いたせいか、痺れを切らしたように先生が低い声で聞いてくる。

響哉さんはいたずらっ子の顔でくすりと笑う。

「折角だから、覗いてみる? 俺は人目があっても問題ないほうだし――」

「……それだけ元気なら、今すぐ帰れっ」

先生は呆れたように言葉を投げた。

「嫌だね。
 モテナイ男の僻みって」

響哉さんは、楽しそうにくすくすと笑う。


……佐伯先生、モテないってことはないと思うんだけど……。