Sweet Lover

響哉さんは、まるで、教会で懺悔する人を思わせるほど苦しそうな口調でそう言うから――。

もう、このまま何も聞かないで封印したほうがいいんじゃないかって、胸の奥でちらりと思った。

でも。

わざわざ響哉さんが今そこまで言ったってことは、私に聞いて欲しいというアピール……だよね?

今まで、ずっと言えなかったことを、やっと言う気になってくれたって……ことだよね?

私は、響哉さんがよく私にしてくれるのを真似て、彼の頬に手を伸ばし、そっと触れた。

響哉さんは一瞬目を丸くして、それからふわりと優しく笑った。

淋しさをその瞳の奥に、少しだけ滲ませながら。