「……じゃあ、須藤グループはどうするわけ?
 じいさんだって、生きているのが不思議なくらいの高齢じゃないかっ」

「オヤジに継いで貰う事にする。
 話はつけてきた。
 もちろん、俺とマーサの間に男の子が出来たら話は変わってくるだろうけど」

……なんですって!?

思わぬ展開に私は目を丸くする。
そんな私に響哉さんはふわりと微笑みかけてきた。

「でも、俺はマーサと二人で生きていけるなら子供なんていなくたって構わない」

「そう、じいさんに宣言してきたってわけ?」

先生の声は、怒りを表に出さないためか、わざとのように低く抑えたものだった。

「ああ」

響哉さんはそっけないほど簡単に頷く。