「私と真朝って幼稚園で知り合ったじゃない? あそこももちろん、須藤グループの傘下にある幼稚園っていうのは、そろそろ予測がついてるんじゃない?」

「……うん、まぁ」

ただ、釈然としないのは、どうして私がそういう幼稚園や私立学校に通っているのかっていうことなんだけど……。

「幼稚園で、私は真朝とすぐに仲良くなったわ。
 今思い返してみても、出会った頃から仲良しだった。
 ……で、ほら、この前話したわよね。
 私が、すっごく気になったから、真朝が大好きな【キョー兄】をこっそり見に行ったこと」

「……うん」

「で、もちろん小さな私が独りでいけるはずもないわけで。
 父親に運転を頼んで連れて行ってもらって、陰からこっそり見たんだけどさ――」

そこまで言うと、梨音はくすりと笑う。

「これじゃ、私まるで生粋のストーカーね」

「でも、子供時代だから許される執着心っていうのはあるわよ、きっと」