「梨音って、響哉さんとどういう関係なの?」

「うーん……。
 そうね、なんていったら分かりやすいかしら。
 一言で言えば、私の父が須藤グループの傘下にあるとある会社で役員をやっているの。
 ……っていうか、役員にさせてもらったって言ったほうがいいかしら。
 あ、でもこういう言い方すると誤解を受けそうで嫌なんだよね」

言うと、梨音は食べ終わったお弁当箱を片付けて、ぐっと私の手を握った。

その瞳は潤んでいる。

「ねぇ、私、本当に真朝のこと大好きで、本気で親友だって思ってるから。
 どんな事情があるにせよ、そこだけは信じてくれないかなぁ?」

雰囲気に気圧された私は、思わずこくりと頷いた。