扉がノックされる。
梨音だとしたら早すぎる――。
「どうぞ」
「失礼します」
やや緊張した声は、体育教師である平田先生のものだった。
起き上がろうとする私の頭を、響哉さんがそっと抑える。
「いいから、寝てて」
「でもっ」
「ここでキスされたい?」
焦る私に、響哉さんはふわりとした笑いを浮かべて囁いた。
……意地悪っ。
「花宮さんは――」
「今、休んでます。
血も止まったので問題ないと思いますよ」
佐伯先生は丁寧な口調でそう答えた。
響哉さん相手にものすごくぞんざいな口調で話すから気づかなかったけれど、普通に大人の対応ができる人なんだな、と、私は変なところで感心した。
梨音だとしたら早すぎる――。
「どうぞ」
「失礼します」
やや緊張した声は、体育教師である平田先生のものだった。
起き上がろうとする私の頭を、響哉さんがそっと抑える。
「いいから、寝てて」
「でもっ」
「ここでキスされたい?」
焦る私に、響哉さんはふわりとした笑いを浮かべて囁いた。
……意地悪っ。
「花宮さんは――」
「今、休んでます。
血も止まったので問題ないと思いますよ」
佐伯先生は丁寧な口調でそう答えた。
響哉さん相手にものすごくぞんざいな口調で話すから気づかなかったけれど、普通に大人の対応ができる人なんだな、と、私は変なところで感心した。


