Sweet Lover

「止まったから横になっていいぞ」

言いながら、私が当てていた血まみれのタオルを持っていく。
代わりに新しいタオルを水に濡らしてくれた。

「これで顔を拭いたほうが……」

ええー。
もしかして、私の顔ってものすごく血で汚れていたり……するのかしら、恥ずかしい。

「俺がやる」

響哉さんはその濡れタオルを受け取ると、躊躇いもなしに顔を拭いてくれた。

「顔、痛くない?」

確かに赤く汚れていくタオルを目にしながら、私は頷くほかない。

「昨夜、一緒に寝てあげればよかった」

響哉さんは切なそうに瞳を伏せてそう言うと、私の頬に唇づける。

……うわぁああっ。

目の端でそれを見ていた佐伯先生は呆れ顔で、釘を指してきた。

「響哉、あんまり彼女を興奮させると、また血が出てくるぞ」