Sweet Lover

「ま、それが言い訳なら聞いてやらんことも無い」

高圧的な発言。
その後、ふいに柔らかい声音を変える。

「マーサ、首は動かさないほうがいい。そのままじっとしていて」

すぐに響哉さんが視界に入ってくる。
心配そうな表情に、ますます心臓が高鳴っていく。

上着を脱ぎ、先生から奪い取るようにタオルを取って当て直してくれる。

ちらりと目に入ったそれは、どう見てもダークスーツ。

いったいどこで何をしてたのかしら。
しばらく、無言で時を過ごす。


「一回タオル外して?」

先生に言われ、私はゆっくりとタオルを外す。

……っていうか、真正面から至近距離で顔、それも鼻を覗かれるのすっごく恥ずかしいんですけどっ。

私、今思春期まっさかりの乙女だってこと、覚えてらっしゃいます?