「……なかなか、難しいことを聞いてくるわね、真朝ちゃん」

春花さんは分かりやすく口篭る。

「……付き合ってたって、ことですか?」

「うーん。
 ……ごめん、女子高生にこういう状況をどう説明したら良いのか、私には分からないわ」

春花さんは断言を避けた。

『ハルカーっ。
 MamとDad、喧嘩してるわ』

ペギーがやってくる。
そして、私を見てぷいと顔を背けた。

春花さんの手を引っ張って行ってしまう。

一人、取り残された私はどうしたら良いのか分からなくて。

そっと、服を着替えて家から抜け出すことにした。