『煩いなー。
 あんまり口うるさいと、女の子にもてなくてよ。
 あ、美味しそうっ。
 私、サシミ、食べてみたかったの。
 ねぇねぇ、これ、どうやって食べるの?』

少女は、勝手に空いた席に座る。

響哉さんはふぅとため息をついて、頭を抱えた。

「ごめんね、マーサ。
 彼女、マーガレットって言ってカレンの娘なんだ。
 どうして、カレンが来日しているのかも分からないし、彼女がついて来た理由も分からない」

もう一度、春花に確認を取るから、待っててくれる? と言って、響哉さんは携帯電話の電源を入れる。