そうして、ふぅとため息をついた。

「ここに、10歳の女の子がやってきたんだけど、どうする?
 あげてもいい?」

……ダメって言いづらいんですけど、それ。

「10歳?」

私が目を剥いている間に、また、呼び鈴が鳴り始める。

響哉さんはオーバーアクションで肩を聳やかすと、がちゃりとドアを開けた。


ドアの向こうには、金髪で青い目をした、レディが一人。
大きな荷物を抱えて、半べそ顔で立っていた。

「キョーヤっ」

響哉さんがドアを開けた途端。
口角をあげて、満面の笑顔を作り、彼の身体に抱きついた。