「これ、昼のワイドショー」

私はゴクリと生唾をのむ。
場所は、どこかのホテル。

結婚式でも使うであろう煌びやかなカーテンを背に、響哉さんはグレーのスーツを着て一人で立っていた。

カメラのフラッシュの前でも、動じることもなく、むしろ不敵な微笑さえ浮かべている。

「キザな奴」

梨音がぼそりと呟く。

私はと言えば、すっかりその美貌に目を奪われていた。
いつもの見慣れている響哉さんとは、また別の人にさえ見える。

手を伸ばしても簡単には届かないような、どこか、遠くの世界の人に。