Sweet Lover

ソファに下ろされた私は慌ててキョー兄ちゃんの腕に両手で抱きついた。

『あら、真朝ちゃん、コアラみたい』

ママがテーブルにコーヒーを置きながら、無邪気に笑った。

私に用意されたのは、プラスチックのコップに入ったオレンジジュース。

『コアラ?』

キョー兄ちゃんは、そこらへんに投げてあった絵本から、動物が乗っているものを探し出して、それを見せてくれる。

鼻が黒くて大きい、ねずみ色の生き物。

『マーサ、こんなんじゃないもんっ』

膨れる私。
それを見て、笑い合う三人。