Sweet Lover

『何でだよ。
 サヤカちゃんなんて、絶世の美女だぜ?
 お前だって、今年の大学祭で見ただろう?』

『見たよー。
 ついでにいえば、その合コン話だって、本人から直接頂きました』

『じゃあ、行ってみればいいじゃんかっ』

『そうやって、サヤカ嬢に俺を押し付けようとしてるだろう?
 お前の魂胆なんて、分かりやすくて笑っちゃう。
 合コンは、マーサちゃんとしかしないって決めてるんだから、ねぇ?』

二人の会話の内容なんて、これっぽっちも分からなかったけど、キョー兄ちゃんに名前を呼ばれた私は、それだけが嬉しくて顔をあげた。