本当なら、行かないでって言いたい。


ずっと恋愛に興味無かった者同士のカップルだけど、私だって一応女の子……『イブに彼氏とデート』に全く憧れが無いワケじゃないもん。


私に甘い明智君だから、もしかしたらヤダヤダ!ってダダこねまくったらデートを選んでくれるかもしれない。


でもおじいちゃんが入院してるのに、そんな事出来るワケないよね……


「明智君、顔上げて。私なら大丈夫だから」


「へっ………」


色々考えてから促すと、ゆっくりと顔を上げる明智君。


無邪気な瞳は私への申し訳なさからか、微かにユラユラと揺れていた。