「物好きもいるもんですね」
向き直りお弁当をつつく。
「までかちゃんとそう歳も変わらないんじゃない?」
でも、パッと見で判断するとあたしより若干、年下な気がする。
年下は
もう
勘弁。
あたし頑張って「どうだろ…」と呟くと
「やっぱり、まどかちゃんは理想が高いのね」なんて
けっこう心外な言葉に思わず苦笑い。
「理想が高いわけじゃないですよ…。
なんとなく
気が合いそうな人と出会えないんです。」
あれだけ毎日のように顔を合わせていたキヨ以上に気の合う相手って
なかなか
なかなか、いないだろう。
「それに、いくら成績優秀といっても、中でも1番成績の悪いこっちの県まで来るくらいです。下心でもあるんじゃないんですか?」と言い終えた瞬間
ドンっっっ‼と
テーブルにおかれたごつい手。
頭の上に何やら気配…。
嫌な予感しかしないあたしと、目が合った田口先輩に目で助けを求めたものの、視線をそらされる。


